等級の歴史

等級は、紀元前129年に古代ギリシアの天文学 者、ヒッパルコスが星を分類したときに始まりました。彼は一番明るい星を、 一番明るいという意味で「1等」と呼びました。彼は自分の分類体系で6つの順 位をつけ、見ることのできた一番暗い星を「6等」としました。

ガリレオ・ガリレイ

イタリアの科学者、ガリレオ・ガリレイは自分の望遠鏡を空に向けて、肉 眼で見える最も暗い星よりもっと暗い星を発見しました。これらの星はヒッパ ルコスが分類した最も暗い星より暗かったので、ガリレオはそれを「7等」と 呼びました。そしてより大きな望遠鏡でさらに暗い星を見つけた天文学者たち も同じように、それをどんどん大きな等級に分類し続けました。

1800年代、天文学者たちはたくさんのデータを得てい たので、この等級の体系は彼らを混乱させました。彼らは等級の体系を、2人 の天文学者が星の明るさについて完全な意見の一致をみることができるような、 数学的な定義によって与える必要があることに気付きました。1856年、オック スフォードの天文学者、ノーマン・ポグソンは、星の等級はその放射フラックスで 定義するべきだと提案しました。

ヒッパルコスの古代の体系では、1等の星は6等の星の 約100倍の光を放射していました。そこでポグソンは、等級が5つ上がると放射フ ラックスが100倍になるようにスケールを定義しました。この定義だとベガの 等級が非常にゼロに近くなったので、天文学者たちはベガを等級の体系の基準 点に選びました。後に天文学者たちは等級の目盛をより明るい天体にも拡張し、 それらに負の数を割り当てました。今日、等級の体系は非常に拡張されていて、 私たちが見ることのできる最も明るいもの(太陽の -26 等)と、最も暗いもの (ハッブル宇宙望遠鏡の画像にある、+30 等)との間には56もの等級があります。 地球に届く光の量では、その等級の差は 2.5156、つまり 2.4 x 1022 倍にもなるのです!

等級のスケールは天文学者にとっても任意性があって ややこしく思えます。しかしこのスケールは星の明るさの正確な測定値を与え、 天文学の科学としての4000年の歴史に敬意を表しているので、天文学者はこれ を使い続けているのです。